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ambros, ambrotype, アンブロタイプ, ガラス湿板, colored glass, wet plate collodion, wetplate, 湿板, 湿板写真
今日は久しぶりにニス塗りをしてみました。
以前にご紹介したかもしれないですが、こんな道具を使います。
ニス、試験管、アルコールランプ、そしてプレート上での余剰ニスを一時的に入れておく瓶。
アルコールランプで試験管に入れたニスを十分に暖めて(試験管が手で触れるくらい)、暖めたプレートの上にコロジオンを注ぐようにニスを注ぎます。 残ったニスは試験管に戻すのではなく、別瓶に入れてあとで濾過して使います。(ほこりとか入ってしまっているため。)
私は断然ルネッサンスワックス派なので、ニスを長いこと封印していました。
なぜ今になってニスかというと、前回テストした色付きグラスにワックスがけをしたら、ディテールが消えてしまったのです。 もともと情報量の少ない写真でしたから、一応写ってはいたものの、画像が平べったくなりました。
過去にも数回、ワックスをしていたら画像が薄くなったことがありました。
そのときの状況(湿度や気温、コロジオン)によるのか、毎回情報はコットンでちょっとずつぬぐい去られているのかよくわかりませんが、今回はいっさい表面は触らず、ニスでコーティングしてディテールを封じ込めてみることに。
ニスが劣化していたのか、ニスのプレートの方が明らかにトーンダウンしています。 考えてみたら今まで同じ写真でニスとワックスを比べたことがなかったので、もともとこういうものだったかも。。。
一見、ワックスの方が明るくて鮮明な写真に見えますが、詳細の情報はニスのプレートの方が多いのです。
トーンダウンを考慮して露光時間を長くするのか(果たしてそれで満足のいく結果が得られるのかはわかりませんが)、これはこういうものとして鑑賞するのか、好みの世界でもありますが、いろいろなことを想定しながら写真を撮るのはとても難しい。 しかもこれは技術のはなし。 言語が出来て初めて言葉で表現できるのと同じように、写真も技術がベースになければ、偶然の賜物だけを狙って時間とエネルギーを無駄にしてしまうかもしれません。 (湿板の結果を安定させるのは今の私にはまだまだ至難の技。 性格的に几帳面ではないので、偶然できる美しいプレートの方が好きです。)
ニスをかけるとガラスが水洗に入っていた時と同じ様な明るさになります。つまり、水に入っている時にニスをかけた状態を確認できるということですね。乾くと銀の部分が明るくなります。ですのでかつては露光時間を短くしたいのでニス掛けをしない写真師もいたと聞いてます。実際古い湿板にはニス掛けしていないものが多いようです。ニスやワックスをかけないと銀がむき出しになるので空気による酸化は免れず耐久性は落ちます。
猪俣さん、
ご無沙汰しています!(・・といっても、ここでは本名明かしていないので誰だかわからないですよね。。 それはそれで。)
コメントどうもありがとうございます。
ニスをかけると暗くなるというのは、以前はどういうわけか気づいていませんでした。このところずっとワックスだったのでその差に驚いた次第です。 ノン・コートのコントラストが一番好きですが、なにかで表面を保護しないと酸化の前に爪等で表面を傷付けてしまいそうで怖いです。。
誰だかわかりますよwこれだけガラスを使う人は知っている中でただ一人w
あ、バレていたんですね! 相変わらずかなり歩留まりの悪い生産をしております。。σ(^_^;)
はじめまして、いつもブログ楽しく読ませて頂いております。
去年11月からWet Plateを始めたばかりで、その上写真とは全く縁が無い者なので、色々検索している中4tographiqueさんのウェブサイトを発見して正直驚きました。海外では比較的に当たり前のようにWet Plateのサイトがありますが日本では今現在このサイトのみではないのでしょうか?いつも色々と参考にさせて頂いております。今後日本でコロジオンプロセスを始める方にとってこのサイトはとても貴重なブログだと思います。Wet Plate Processは本当に中毒になりますね、この事ばかり毎日考えてしまうような危ない技法です。
Varnishingは厄介なプロセスですね、現在では他の選択肢も色々とありそうですが、今のところ自分もSandaracかRen Wax で対処しています。
4tographiqueさんほどの実験回数はございませんが、どうやらvarnishingについてはガラスプレートとSandaracを暖める理由は曇りを防ぐ目的のためのようですね(Sandaracに含まれている水分を蒸発させることでプレート上の曇りを防ぐ)。先日Sandaracをアルコールランプで暖めずに室温でプレートにかけて、その後ヘアードライヤーで暖めてみましたがソコソコまともにVarnishが仕上がっているように見えます。Ren Waxとの鮮明の差に関してはまだ実験した事がありませんので良く分かりませんがRen Waxのほうが明るさはある印象ですね、Varnishingの過程でイメージが暗くなるのはAmbrotypeでの難関の一つですね、ShallacによるコーティングではSandaracより多少明るいという記事も見かけますが。
スプレー状にコーティングをできるようになると多少の心配要素も減って良さそうなのですが… そのような楽な方法を考えている事自体がこのプロセスの罠なのかもしれません、良い写真はそんな簡単に作らせてくれないのが魅力なのでしょうね。
今後も色々と参考にさせて頂きます、いつもありがとうございます。
はじめまして。
ブログを楽しみにしてくださっているとのこと、とてもうれしいです!
最初はもっとプロセスのことなど書く予定でしたが、訪問者もそれほど多くないのでだんだん日記みたいになってきてしまいました(笑)。 (その方が続きそうなので、あまりためになる記事をかけないかもしれませんが・・。)
まだ初めて間もないのにvarnishingのこといろいろ調べられているのですね。
逆に勉強になりました。 ありがとうございます。 あとからドライヤーで暖めるという手法は手軽でいいですね^-^。 私はすっかりルネッサンスワックスに落ち着いていましたがまたいろいろ試してみます。 Shellacは以前から気になりつつ、まだ試していないので、近いうちに試してまた記事にしたいと思います。
湿板は本当にハマりますよね。 最近は湿板をなさる方が少しずつ増えているような気がします。 もし作品などアップされることがありましたらぜひお知らせください。 また、これは違っている、という内容がありましたらご指摘いただければうれしいです。 これからもどうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございます。まだまだ勉強不足ですので、湿板について時々ご相談させて頂く事があるかもしれませんが、その際にはどうぞ宜しくお願い致します。作品もまだ表に出せるような内容のものはございませんので(ブログなどもありません)少しでも進展がある時には4tographiqueさんのご意見参考にさせて頂ければ幸いです。こちらこそどうぞ宜しくお願いいたします。
短い期間でいろいろ調べておいでなので、あっという間に上達されることと思います。
私もまだまだ学習中ですの湿板仲間として一緒に楽みましょう^-^
Pingback: Wet plate process overview (湿板プロセス概要) | 4tographique