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セレニウム・トナーをこっそり下水に流し(それは私なのですが)、だいぶ月日が立った後で、一人の老婆がその犯人探しをするのを固唾を飲んで見守っているという夢を見ました。もう誰もそんなこと気にしていないのに、その老婆だけがしつこく犯人を探しまわるのです。私は自分が犯人だとバレるのではないかとドキドキしています。
まぎれもなくその老婆は先日私がこの世から抹消したダゲレオタイプの老婆のうちの一人。何かあるとは思っていましたが・・・。
(注)セレニウム・トナーを流したのは夢の中での出来事です。実際に流しては絶対にいけません。

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ダゲレオタイプが発表直後大流行し、人々が熱狂的になっている様子を描いたカリカチュア、その名も「ダゲレオタイプ狂」。 1839年8月に発表されて、これがフランスの新聞に掲載されたのは12月なので、短期間で大旋風を巻き起こしたに違いないです。

La Daguerreotypomanie
SOURCE : http://gallica.bnf.fr/

この中に私がいるんじゃないの・・?と思ってしまいました。

確かに大変センセーショナルな出来事です。今の雑誌も新聞も広告も、媒体は金属、紙、ガラスからデジタルまで、写真という写真はすべてここから始まっているのです。(ヘリオグラフィーうんぬんはとりあえず置いておいて。。)
 
私の写真の歴史をさかのぼる作業は、写真史や写真そのものに興味がある以前に、銀板に恐ろしく精緻な画像が写るという衝撃を自分で体感したいという渇望から生まれています。なので、人の撮ったダゲレオタイプを集めて眺めているだけでは物足りなくて、今のような事態になってしまいました。

・・・というわけで、寝ても覚めてもほとんどダゲレオタイプのことを考えている、現代のダゲレオタイプ狂、昨夜9時間かけて露光した8x10銀板をベクレル現像箱ごと会社に持ってきました。
ベランダに放置しておいてもよかったのですが、現像の様子を確認したくてオフィスの窓際に密かに置いています。

おとといの分はなぜかフォグのようなものが発生しました。まるで湿板のようにコットンで軽く拭うと取れます。ダゲレオタイプには厳禁な行為。画像がとても脆く、軽く触っただけで消えてしまうはずなのですが・・・。
fog

全体のフォグを取ったところ。絵が出ました。もしかしたら定着不足だったのかもしれません。
fog cleared

どちらにして薄い画像なので、失敗。
b-dag 8x10

なぜ私がこの不気味な人形を撮り続けているかというと、大判カメラと静物を設置するのに結構な時間がかかるのです。スペースが限られているというのもあって、それなりのものが出来るまではとりあえずそのままにしておきたいというのが理由。
特にこの人形に至っては、ほんのわずかな角度とラインティングで独特な表情になるのでその微妙な表情をとらえたくて、それこそミリ単位で調整して撮り続けています。逆に言うと、ちょっとの差でのっぺりとした、まるで人をあざけるかのような顔になります。(他人にとってはどうでもいい違い。おまけにどんな表情であろうとこの人形の写真の支持率はかなり低いです。)