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初めてベクレル法で作ったダゲレオタイプはなんだかぱっとしなくて、英語で言うなら”dull”という感じ。眠たいというかもさもさしているというか。。先日水銀法でそこそこきれいにできたダゲレオタイプはもっと繊細で立体的で、これが水銀の魔力か!と思ったほどです。
なので私はますます水銀に傾倒していったのですが、以前私の第一号のベクレルダゲレオタイプを譲ってほしいとおっしゃっていた方に、もっときれいなものが出来ましたといって水銀法のダゲレオタイプを見せたら、
「僕は前の方が好きかな。」
と言われました。
そうなんだ。。
理由は、ベクレル法の写ってるのか写ってないのかわからない部分がもっと見たいと思わせるそうなのです。角度を変えていろいろな方向で見たくなる、その感覚が良いそうなのです。
美しいナノテクノロジーは万能ではないのでした。
以前フィルム写真をやっていたときに、デジタルは写りすぎるからつまらない、という話を聞いたことがあります。
私個人的には写りすぎるというより、アナログの法が圧倒的に階調の幅が広いからだと思っていましたが、すべてが鮮明に細かく写るというのは技術としてはものすごいことですが、鑑賞する側からしたら面白みがないということらしいです。
まあ、確かに。ぶれた写真でもとても心を惹かれる作品もあります。
正直写真としてはどっちもどっちだし、モニター越しではなかなか見極められませんが、私はやっぱり水銀の方に心を惹かれます。