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写真に携わっている人でもダゲレオタイプ(銀板写真)を知らない人は大勢います。私の周り人々はダゲレオタイプといって分かる人はほとんどいません。アンティークショップのオーナーも、ダゲレオタイプとティンタイプを勘違いして売っている人がいたりします。また言葉だけ知っているけれど実物を知らない人も多いです。

意外と知られていないのです、ダゲレオタイプ。。(かくいう私も、湿板をはじめたときに初めてそういう写真があるのだと知りました。) 別に知らなくても生きるのにはまったく困らないし、知らないから恥ずかしいということもありません。ただ、この美しい写真の存在を知っていても損はないと思います。

ダゲレオタイプは一言で何かというと、

1839年、フランスで世界で初めて紹介された“実践的な”写真技法、あるいはその技法で撮られた写真
(この”実践的な” というのがポイントで、ダゲレオタイプの前にヘリオグラフィーなどが存在していたので、ダゲレオタイプが世界初の写真ではないという議論があります。)

その写真は紙でもガラスでもなく銀板(正確には銀メッキを施された銅板)の上に撮影されています。なので日本語では銀板写真とも言います。
ダゲレオタイプという名称は発明者の「ルイ・ジャック・マンデ・ダゲール(Louis Jacques Mandé Daguerre)」とられました。

その画像はデジタルのピクセルや、フィルムの粒子を遥かに超えた、化学反応によるナノの分子で形成されているため恐ろしく鮮明で精緻、まるで人物が生きているかのように見えます。

モニター越しに見るダゲレオタイプと、実際に手にとって見るダゲレオタイプはまるで別物。
なぜなら微妙な角度や光で見え方が変わるからです。ポジに見えたりネガに見えたり、色さえ違って見えます。そしてその鮮明さはモニターでは伝えきれません。

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ダゲレオタイプが素晴らしいといっても、もちろん粗悪なものもあれば、美術品級のものもあり、銀の特性上画像が劣化して見るに耐えないダゲレオタイプも多く存在します。 
ダゲレオタイプかどうか分からないものがあったら角度を変えて見てください。角度によってネガに見えるものがダゲレオタイプです。正面から見たとき鏡のように自分の顔が写り込み、黒い布を反射させて鮮明に見えるものがダゲレオタイプ。

なぜこんなに美しくすばらしい写真が衰退してしまったかというと、水銀など有毒な薬品を使用するため、撮影者の体に悪影響を及ぼすのと、湿板などもっとお手軽に撮れる写真法が出て来たのが原因です。(といっても湿板も全然お手軽ではないですが・・・。)コスト面から言っても銀板よりガラス板の方がずっと安いのです。

「写真はじまり物語」という本は、写真の歴史が分かりやすく紹介されていて、美しい写真も多く載っているのでおすすめです。

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