何を今さら思ったのか、過去に失敗して積み上げてあった湿板のガラスの山をきれいにしよう!と、先日からせっせガラスを磨いています。
ところがルネサンスワックスの威力が強烈で、ゴシゴシ磨いても傷ひとつつかず、ナイフで画像の層を削ったりしながら一枚のガラスを磨くのにそれこそ30分以上かかる始末。まだ5枚くらいしかきれいになっていません。いったいこの作業はいつになったら終わるのだろう・・・と思い始めました。
しかもよく見てみると同じ被写体のガラスが大量に出て来て、いったい同じ写真を何十枚撮っていたんだ、ということがまず第一の驚き。(自分でやっておきながら。。)
そしてあきらかにボツな出来映えの湿板も、これまたご丁寧にルネサンスワックスをきっちりかけてあって、私は何のために失敗作にワックスをかけたんだろう・・・というのが第二の驚き・・・というより謎。ブログを読み返せばその答えがわかるかもしれませんが、まぁ、それを知ったところでガラスは奇麗にならないので、気力が続くかぎりがんばって磨こうと思います。
唯一の癒しは、ナイフで削ったときに出てくる湿板ならではの香り。今となっては懐かしい。
もしかしてダゲレオタイプも、いったい何故こんなどうしようもない写真を大量に撮っていたんだろう・・・と思うときが来るのかもしれません。
それはすでに写真を辞めているときでしょうけれど。
指導を受けましたので、書き込みます。今さらでしょうけど。
本によれば、「ニスが塗ってある板は最初にベンゾールまたは揮発油乳剤(石鹸1g、檜油10g、揮発油10g、水100cc)でニスを洗い落したのちアルカリで軟化し、膜をこすりとり弱酸で中和せしめるか、たんに煮沸し軟化除去するかの方法をとる。」とあります。今回のルネッサンスワックスに対応できるかは不明ですが。
ベンゾールは試薬扱いでむずかしいですが、揮発油のベンジン、リグロインはしみぬき用でドラックストアにあります。アルカリは炭酸ナトリウムが掃除用として売っています(炭酸ナトリウムは水に溶かし飽和液にして使用します)。経験のないことを書き込むのは心苦しいのですが参考までに。
ミズキさま
情報ありがとうございます!
ルネサンスワックスは成分が違うので同じ方法は難しそうですが、ニスでしたらこの方法が膜を軟化させるのでよさそうです。私はシンプルにアルコールで落としていました。
まだ大量にきれいにしなければならないガラスがあるので、どこかで試してみようと思います。
アルコールで落ちましたか。よかったです。
以前、木工用ニスが付いたガラス板をきれいにするのに途方にくれた思い出があります。アルコール、リグロイン、アセトンでもとれず、最終的には力わざで削り落し、結局細かい傷が残りました。そんなこともあり、記事から大変さがダイレクトに伝わってきました。
湿板の保護ニス塗りは経験がないので、あこがれます。
再生の労力を考えると、ガラスを新調したほうがいいのかなと感じたりします。
私は額用のダイコロ版のガラス(1枚千円位)から、キャビネ版を9枚切出しています。最近は100均(ダイソーなど)のA4フォトフレームのガラス板を使用を考えています。A4サイズなので少し切り落とせば8x10インチ、5x7インチ・キャビネなら2枚、4x5インチなら4枚、額のガラスより厚みが薄いのが魅力です。
清掃は新品の物なら家庭用中性洗剤で、よごれがあるものは、中性洗剤+花王のフォーミングクレンザーで簡単にすまし、その後卵白水をかけて乾燥させています。作家の方は念いりな清掃が必要でしょうが、これぐらいでもそれなりに撮影ができてます(審美眼がないので、問題に気付いてないだけかもしれません)。
失敗した板(ニスなしのもの)は炭酸ナトリウムの飽和水溶液に、一日位漬けると綺麗にコロジオン膜がはがれます。卵白が強固な時は二三日漬け置きます。
そして再度清掃して、再生して使用しています。
美の探究者にはおこられそうですが、ゆるさの一例として記しました。
確かにおっしゃる通り私もこの作業に労力をかけるのならガラスを買いなおした方がいいのかなと思ったりもしますが、どうも貧乏性で(笑)ガラスを処分できずにいます。自分で撮って楽しんでいるだけなので新品のガラスであることにこだわりはなく、ダゲレオタイプのハウジングにも湿板で失敗したガラスを使っています。
100均にも使えそうなものがありそうですね!オーダーするより安いかもしれません。
湿板用のニスはラベンダーの香りがしてとても癒されます。機会がありましたらぜひ試されてみてください。
炭酸ナトリウムの飽和水溶液、良いことを聞きました。卵白もとるのが大変なのですよね。。
ミズキさんは湿板をなさるのですね。内容がとても学術的でいろいろ探究されているように思いました。作品はどこかで見れるのでしょうか?
このHPではげまされ、実際の撮影をはじめた湿板一年生です。作品なんて大それたものは、デジタル写真とちがい必ず写るわけではないので、ただ安定して撮影を出来るだけで幸せになり、訪れた幸運に感謝してしまいます。ようやくうまく撮れた(技術的に)と思えるものも出てきました。お送りして感想、批評をいただければ、はげみになります。
下引きの卵白水は、白身を取り、よく攪拌し水を加え、濾過をくりかえし、ようやく透明な水になったと思っても、少し動かすと泡がでたり残ったり、取りきれない繊維(すじ?)があったりと思うようにいきません。ガラス板に塗布して乾燥するのに時間がかかるので、空気中のちりなどがついたりします。残った黄身の始末も考えもので、私はプリンの元でプリンにしていました。鶏卵紙の権威、荒井先生はカメラ型のクッキーを作られていましたが。
下引きでガラスの清掃の簡単にできる利点がありますが下引き液の選択は迷います。ゼラチン下引き液は銀液をよごしやすいとのことなので躊躇してしまい、板倉氏のPVA下引き液は、PVA洗濯のりで試してみましたが成分が悪いのか、適正な濃度でないのかうまくいきませんでした(扱いやすいので、純薬でつくるといいと感じました)。
最近は、乾燥卵白を東急ハンズで入手して使い始めました。生モノでないので必要な時にすぐ使え、溶けやすく、泡立ちにくく、成分が調整され(写真に必要な成分が少なくなっているかもしれませんが)使いやすいです。乾燥卵白は日本では一般に見かけませんが、「チャタリング・クロス街84番地」という小説にでてきますので、欧米ではよく知られている様子です。暗室界の大王、久保氏は鶏卵紙に使用する実験をされていました。
ミズキさま
おはようございます。
このHPがはげみになったとのこと、とてもうれしく思います。
もう安定した画像を得られているのですね。素晴らしいです。私はトラブルが多く、写らなくなったときの方が多かったのではないかと思うくらいです。
(写真はまったく素人の域を出ませんので、批評なんてとんでもないです!ただ作品は拝見してみたいです。)
下引きの卵白は私は四隅にだけしか塗っていませんでしたので、一度作るといつまでも使い終わらず、最後の方はガラスの再利用の際が剥がすのが面倒くさいという理由で使わなくなりました。コロジオンの膜は調合によるものなのか剥がれないことも多く、不自由はなかったです。
確かに黄身が余ってしまいますね(笑)。カメラ型のクッキー、かわいいですね。
逆にお菓子作りだと卵白が余ることが多いのですよね。私は昔それでラングドシャを作っていました。
乾燥卵白というものが存在するとは知りませんでした。もしまた湿板を再開するとしたら購入すると思います。
「チャタリング・クロス街84番地」知りませんでしたが、書物を愛する人のための本とあって、惹かれます。ミズキさんは本がお好きとお見受けしました。私は読書家でもないですが本が好きなので気になるところです。