私は虫眼鏡が好きでいくつか持っているのですが、考えてみたら万華鏡とか顕微鏡など、何かレンズを通して覗くという行為そのものが好きなのかもしれません。なにか秘めたる世界を覗くような、ちょっとしたワクワク感があるといいますか、普段自分が見ているものとは違う世界を見る事に楽しみを感じるのだと思います。
きっと誰でもそこにレンズがあれば覗いてみたくなるに違いありません。
大判カメラもピントグラスを通して見ているものは同じもののはずなのに、そこから見える世界はまた別格で、とある方が私が大判を始めるずっと前に「絶対にハマる」と宣言していましたが、まさにその通りになりました。 

虫眼鏡に関しては私が以前から不思議に思っていることがあります。

たとえばダゲレオタイプをよく拡大して見るのですが、その虫眼鏡で拡大したダゲレオタイプはまた裸眼で見るのとは違った美しさがあって、敢えてそれを写真に撮りたいと思うことがあります。

そこでカメラを持って来て撮影するのですけれど、実際に私が見ているものとカメラが撮るものは拡大率が違って、特にiphoneのカメラを使ったときにはほとんど等倍になってしまうという、私の頭では理解できない現象が起きています。
何度やっても同じで、では一眼レフならどうかと思うのですが、こちらもパララックスなのか何だかよくわかりませんが裸眼で見るものは再現できず、拡大率もiphoneほどではないですが違うようだし、もしかしたらGoogle Glassだったら上手く撮れるのだろうか、とか考えたりして、結局思ったように撮れずに面倒になってやめてしまうのです。 

そして結果は分かっているのに、なぜかこの行為をある期間を置いてまた繰り返してしまう。
毎回たいてい30分くらいは奮闘します。 無駄だとわかっていてもこの美しさを撮りたいという欲望の方が強いのです。そしてなんとかして撮影したものは期待ほど美しくなく。。。

結局レンズはこの目で見たものをその通りには再現できないのだ、という結論に至り(当たり前ですが)、でも逆にそうでないことに魅力を感じるといいますか、もしカメラが見たままを忠実に再現していたとしたら、恐らく私はここまで写真には興味を持たなかっただろうと思います。