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カナダでの学習、最終記事です。
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お昼はMike先生の奥さまがご用意してくださいました。
ベジタリアンスープにチーズやクラッカー。私の好きな感じの食事です。とても気さくで素敵な方でした。
高校生くらいの娘さんにもお会いしました。 日本のことにも少し興味があるようで、Mike先生から抹茶を買ってきてほしいと頼まれたので、ヨックモックのクッキーやあられと一緒に持って行きました。
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さて、四分割テストの後は最終撮影でクラッド材とメッキ材それぞれで同じ条件での撮影です。
左がクラッド材、右がメッキ材であきらかにメッキ材の方が感度が低かったのですが、描写に関しては大きな差はないように思います。
私がこれまでにたくさん撮影してきて感じたことは、”当時の銀板はやはり何かが違う” ことです。
今までに数回、当時の銀板に撮影しましたが、一度恐ろしく感動したことがあります。残念ながら銀がもう研磨で薄くなってきていたので、作品にはなりえませんでしたが、実のところものすごーく驚きました。
それに近い感動をやはり同じく当時の銀板に撮影して味わったことがありますが、そちらは昨年の個展でお嫁に行ってしまったので手元にありません。仮にあったとしても実物を見ないことにはそのすばらしさは伝わりません。
そうなのです。当時の銀板は何かが違う。。ただし、すべての当時の銀板がそうかというと残念ながらそうではありません。製造メーカーよって銀板の質が違います。
実は近い感覚をメッキ板でも味わったことがあります。
そのときもとても感動して思わず涙が出たほどです。いや、感動の涙だったのか、やっとそこそこ納得がいくものが完成した嬉しさだったのか、今となっては不明ですが。。(なにせ、展示用で結構ギリギリまでやっていたので。)
そのレベルでの作品(・・というのは他の誰でもなく、自分が感動して納得のいくダゲレオタイプ)は実はそうそう出来るものではなく、そこが今苦戦しているところ。そしてそのためのカナダでしたが、行ったからといってサクサクと望む作品が作れるわけではなく(あるいは私の要領が悪いのか)、そういうところにダゲレオタイプの奥深さを感じます。
話がやや逸れましたが・・。
今回実は塩素を使った手法を学びたいとお願いしましたが、1日ではそこまでは難しいということで、泣く泣くあきらめました。
その代わりというわけではないですが、Mikeさんが塩素を使って撮影したダゲレオタイプを見せていただきました。
行く前から見せてね、とお願いしていたものです。
きれいなトーンが出ています。
うーん、このダゲレオタイプ欲しいなぁーと思いましたが、大切な研究資料なのでもちろんそんなことは口が裂けても言いません。
塩素に関しては、また落ち着いたら取り組みたいと思います。
今回の作業、実はほとんどMike先生の実演で、私はどちらかというと見ている方でした。
銀板を磨いて、表面をジロジロ眺めているとと見ていると、「この段階でそんなにじっくり見ても意味がないよ。」と笑われながら少しは作業はしたのですが、駆け足だったこともありほとんどの工程はMike 先生が行いました。 その方がむしろその様子を撮影できてよかったです。
クラッド材は前回の記事に書いた、銀板の端っこを曲げる機械で曲げて保護ガラスが密着しないようにしますが、メッキ材は曲げられないので、アップルのシールがついたレーザーカッターでマットを作ってはめてくださいました。(このレーザーカッターで、今はダゲレオタイプ用のパノラマカメラを作っているとのことでプロトタイプを見せていただきました。)
最後に着色したクラッド材はこちらです。
レンズが特にリアル。
実物と違う色を塗ることはあるの?と聞いたら、そんなのしょっちゅうだよ、とのこと。
赤色は黒く写るので、色をつけるつもりだったら白のバラの方がいいかも、とも思ったり。でもそうするとあっさりとして赤らしさがでないのかもしれません。
着色についてはそれほど興味がないのでまたこれも別の機会に時間を見つけてやってみたいと思います。
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というわけで無事1日のワークショップは終了。
ゆっくりしていってと言われましたが、明朝のアメリカ行きの準備もあったのでお礼を言ってお別れ。
「これ持っていかないのー?」 と最後に渡してくれたのは、私の銀板サイズに合わせた研磨用のホルダー。 わざわざ作ってくれていました。それはいずれ写真つきでご紹介したいと思います。
もう外は暗くなっていたので、帰りにスーパーでご飯を買いました。
特大サイズのパスタ。 大サイズしかなかったので、食べきれず朝もこれを食べました。
味は、まぁ、可もなく不可もなく。。。
このあとはアメリカへ。 ダゲレオタイプの勉強というよりむしろダゲレオタイプと戯れるために行ったので、まぁ遊びに近いです。
以上、簡単でしたがワークショップの様子でした。