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今回の展示は写真の大先輩方とともにさせていただいているのですが、その中の杉野信也さんというカナダ在住の写真家の方がいらっしゃいます。
先日杉野さんの写真集を購入しました。
すべて湿板写真(ティンタイプ)の作品です。 もう何十年もなさっているそうです。
とても力強くて美しいです。
私は単なるポートレイト写真集にはそれほど興味がないので(もちろん例外もありますが)、そういう意味でも彼の作品は独創的で私のツボだったりします。
今回は昔に作られた作品を展示されていますが、聞いたところによると(現在モロッコに行かれていて私はお会いしていないのです)、今この作品を作れといっても逆に作れない、とのこと。
つまり技術が進歩した分、当時の無謀さや勢いがないということらしいのです。
少しわかる気がします。私も以前のダゲレオタタイプを見て、技術的には不十分だけれど、なんだか良いなと思えるものも今だからこそあります。必死で研磨した銀板の磨き傷が逆に良かったりして、ギャラリーのオーナーが、自分で勝手にボツにしないで取っておいて、というのもそういうことなのかもしれません。
杉野さんサイトはこちら。
写真集に収録されている作品も掲載されていますが、写真集は買って損はないと思います。
(このクオリティーで値段がたったの1000円というのは驚きました。おそらく今回の展示期間中だけと思いますが。サインも入っていました。)
トロントに在住とのことで、昨年行ったときにもしかしたら会えるチャンスがあったかもしれませんが「カナダの写真家」としか伺っていなかったので、会おうという考えがまったくありませんでした。今回も残念ながらお会いできそうにありません。
実は私の個展で一つ作品を購入してくださっていました。残念ながらその場にいなかったのでそのときもお話するチャンスを逃しています。いつか実際にお会いして直接お礼を言いたいです。